H田：「真秘乃先生が霊能力に目覚めたのは、いつ頃のことだったのでしょうか。」

真秘乃霊能者（以下敬称略）：「物心ついた時にはすでに、人の心が読めていたり、人には見えないものが視えていましたね。母方の祖母が霊能者で、母もそれに近い仕事をしていたので、おそらく家系的に霊能力が強いのだと思います。」

H田：「では、お祖母さまやお母さまの活躍する姿を、小さい時から間近で見てこられたのですね。」

真秘乃：「そうですね。とは言っても、鑑定中や施術中は見せてもらえないので、小さい頃は何となく「私のおばあちゃんやお母さんは、人を助ける仕事をしているんだな」くらいの認識でした。」

H田：「いずれは、ご自身もそういう仕事に就くのだと意識していたのですか？」

真秘乃：「いえ、幼い時はまったく。むしろ、小さい時から祖母や母に「あなたの霊能力は人のために使いなさいね」と言い続けられて、うんざりしていたくらいです（笑）。幽霊が見えてもいいことはないし、人の心が読めても、聞きたくないことまで聞こえてきて、正直自分の力はあまり好きではありませんでした。」

H田：「霊能者として、これまで多くのご相談者様をお救いになられている真秘乃先生から、意外なお言葉が出ました。それが、どういったきっかけで霊能者を目指そうと思うようになったのでしょうか。」

真秘乃：「きっかけは、祖母の死でした。私が高校生の時、病気で入院したんです。何度もお見舞いに行ったのですが、いよいよダメだという時に、祖母が「あなたに話がある」と言って、2人きりにしてもらいました。その時に、「あなたには私やお母さんよりももっと強い力がある」「どんなに救いようのない人も、あなたがもっと力を磨けば助けることができる」「ぜひその力を人のために役立ててほしい」と言って、病気で震える手で、しっかり私の手を握ってくれて。私は涙をぼろぼろ流しながら、「うん、うん」ってうなずきながら聞いていました。」

H田：「お祖母さまの遺志を継いで、霊能者になることを決意されたのですね。お母さまのもとで修行されたのですか？」

真秘乃：「基礎的な部分はそうですね。それでも足りないと思って、祖母の人脈をたどって、様々な霊能者のもとで力を磨きました。その中にイタコの方もいて、その方の霊能術が、私の中でぴったりとはまったのです。「これが私の歩むべき道だ」と確信し、イタコとして活動するに至りました。」

H田：「幼い頃は霊能者の仕事に対して抵抗を覚えていた先生が、お祖母さまが亡くなったことをきっかけに霊能者になることを決意された。他の道もあったのではと後悔することはありますか？」

真秘乃：「後悔はまったくありませんね。昔、祖母をたずねてくる人が、初めは暗い顔をしていたにも関わらず、帰る頃にはパアッと明るい顔になっているんです。そういうことをずっと見てきたので、もし霊能者になっていなかったとしても、何かしらの形で人を助ける仕事には就いていたと思います。」

H田：「亡くなったお祖母さまも、今の真秘乃先生のお姿を見たら、きっと喜ばれていることと思います。」

真秘乃：「今でも、たまに祖母が夢に会いに来てくれますよ。霊能術の使いすぎで身体が重だるい時も、そっと私に寄り添って、肩を抱いてくれます。夢の中で祖母が私の肩をさすってくれると、身体にのしかかった重しのようなものが取れて、翌朝目覚めるとスッキリしているんですよ。」

H田：「亡くなってもなお、真秘乃先生を温かく見守ってくださるのですね。」