第３回複雑な因果の末路は

ご相談内容

「夫と子供がいるにも関わらず、違う男性を好きになってしまいました。すでに身体の関係も持っています。ところが最近、夫がそれに勘づいたらしく、頻繁に私を問い詰めてくるようになりました。今のところは何とかごまかし続けていますが、それも限界です。何もかも私が悪いのは分かっています。それでも彼に対する想いは消えません。一体これから私はどうすれば良いのでしょうか？」

（埼玉県入間市 安部真子 34歳・主婦）

イタコ霊能者の対応

涙まじりに話される真子さんからは、後悔の波動と、それにも勝る切実な想いがひしひしと伝わってきました。なので、まずは遠隔霊視で、相手の男性と旦那様、ふたりの様子を視てみることにしました。その結果、相手の男性からは純粋に真子さんを想うまっすぐな波動が感じられたのですが、旦那様の方は一筋縄ではいかないようで、まずは旦那様の生き霊の一部を口寄せすることになりました。

旦那様の意思は「子供のことを考えると離婚はしたくない」というものでした。ですが、真子さんが「本当に私をいまでも愛しているのか」という質問をされたところ、「もう女としては全く魅力を感じられない、妻として徹してほしい」という意思が返ってきたのです。真子さんは大声で泣き出してしまいました。旦那様のこういった態度こそが、真子さんを浮気に至らせた原因だったようです。夫婦の問題に関して片方を必要以上に擁護するつもりはありませんが、真子さんが最初におっしゃった「何もかも私が悪い」という状況ではなく、夫婦のどちらにも非はあった、ということになります。結果的に、まず行動を起こしたのが真子さんであった、というだけで、二人の愛はとっくに終わりを迎えていたのです。

この時点で私は「これはもうどうにもならないパターンかも知れない」と思ったのですが、念のため、真子さんの浮気相手の男性の生き霊も降ろしてみることにしました。相手の男性の方からは、やはり真子さんをまっすぐに想う気持ちが感じられ、不義の愛だと理解しつつも抑えきれない気持ち、そして「許されるのであれば真子さんの全てを受け入れたい」という気持ちが伝わってきました。この気持ちを受け、私は「もしかしたら……」と思い、真子さんと相手の男性との結びつきが最大限まで強まるように精一杯の念を送り、そうして鑑定は終了となりました。

その後の経過

しばらく音沙汰がなく心配していたのですが、1年ほど後に、真子さんからメールをいただきました。あれから真子さんは、浮気相手だった男性から「子供のことも含めてしっかり責任を持つから、一緒になって欲しい」とプロポーズされたようです。その後、真子さんはもう一度旦那様と腹を割って話し合い、協議の末に離婚された、とのこと。そうしてけじめをつけた後で、相手の男性と交際を始められたそうで、今では子供といっしょに3人で幸せに暮らしているそうです。まだ籍は入れていないとのことですが、それも時間の問題かもしれませんね。非常に難しいご相談でしたが、良い結末を迎えられたようで、私としても胸のつかえが取れた思いです。

ご相談内容

「派遣で事務の仕事に就いています。最近、会社で人事異動があり、それをきっかけに接する機会が多くなった営業リーダーの男性がいまして……私はいつの間にか、彼のことが好きになってしまいました。ですが、彼は部下の女と付き合っているようなのです。すでに交際相手がいると知っても、毎日顔を合わせるたびに胸がドキドキしてしまいます。この恋を諦められそうにないのです。彼を私のものにしたいのですが、あまり目立つような奪い方はしたくはありません。都合のいいお願いだと承知していますが……どうにかなりませんか？」

（東京都台東区 清水保美 27歳・事務）

イタコ霊能者の対応

電話越しにも、保美さんがご自身の心の内側から溢れてくる想いを受け止めきれず、戸惑っているような波動が感じられました。ですが、彼と彼女との関係性をあまり把握しておられない様子だったので、手始めに、二人の関係を遠隔霊視させていただきました。その結果、二人の交際歴は約半年ほどということが判明しました。当初はオフィスラブということもあり盛り上がっていたものの、最近は少し上手くいっていない様子……。普通の略奪愛であれば、この時点で成功の可能性が十分にあるのですが、彼女の場合は三人ともに同じ会社に勤めており、また「目立つ奪い方はしたくない」、というご意向なので、私の方も少々悩みました。

とりあえず、交際相手の彼女の生き霊の一部を口寄せしてみたところ、彼女からは、営業の彼に対する、とても強い想いが感じられました。彼女は彼のことを強く愛しておられるようでした。次に、彼の生き霊を私のもとに降ろし、保美さんに「彼女とうまく行っているのですか」と尋ねていただきましたところ、彼はウーンと唸り始めてしまったのです。どうやら彼はチームリーダーとして“仕事とプライベートをきっちり分けたい”と考えており、公私の境目を問わず甘えてくる彼女に「せめて仕事中は控えて欲しい」と何度も苦言を呈しており、それでも聞いてもらえず、困っているようでした。

そこで、少々意地悪な方法ですが、私は保美さんの想いを叶えるために、交際相手の彼女が抱いている想いを一層強めることにしました。霊能力を用い、彼女の恋する気持ちをさらに刺激する念を飛ばしたのです。

その後の経過

数ヵ月後、彼女は別の支店へと異動になったそうです。なんでも、仕事中に所構わずベタベタと接する彼女の勤務態度が問題となり、会社内で一騒動あったとのこと。チームリーダーのポジションにいた彼は残り、彼女のみ異動となった報告をいただきました。当然、二人の関係も解消されたとのことです。少々後味が悪い気がしますが、略奪愛とは誰かが必ず不幸せになるものです。

ただ、保美さんはその間ずっと彼の“よき相談相手”という立場につき、その甲斐あってだいぶ距離を縮められたそうです。すでに休日のデートも経験されたそうで、「付き合うのは時間の問題かもしれません」とのことだそうです。浮き足立つ保美さんに、念のため私の方から「会社での行動には十分注意して下さいね」と釘をさしておきました。最良の結果ではなかったかも知れませんが、保美さんの意向はなんとか叶えられましたので、だいたい“75点”というところですね。

ご相談内容

「夫が家を出ていってしまいました……。夫とは婿養子という形で結婚したのですが、どうやら母とそりが合わないらしく、その影響か、私とも喧嘩が絶えなくなり……先日、電車で数駅ほど離れた街に勝手にマンスリーマンションを借りてしまい、そこで一人暮らしを始めてしまいました。私がどれだけ戻るよう言っても、全く話を聞いてくれません。もう本当にどうしたらいいかわかりません。離婚は絶対に嫌です。先生、どうかお願いします……」

（福島県郡山市 厚美ゆう子 38歳・パート）

イタコ霊能者の対応

ゆう子さんからの電話を受けた時の第一印象は、「非常に古い家で育った方だな」というものでした。古い家庭には必ず先祖の霊がいらっしゃいます。そして、新しく招かれた方が、ささいなきっかけで先祖霊の機嫌を損ねてしまうと、夫婦関係そのものが一気に悪化してしまうこともあるのです。ゆう子さんのケースは、一見、お母様と旦那様、ゆう子さんと旦那様の問題であるかのように思えますが、実は、先祖霊が関わっている問題なのです。ですから、私はゆう子さんの家を守っておられるもっとも強い先祖霊を呼び出し、ゆう子さん自身から“なぜ旦那様に対して怒っているのか”を直接聞いていただくことにしました。

普段、電話鑑定における相談では、どちらかと言うと生身の方の生き霊を口寄せすることが多いのですが、稀に、こういった“先祖に関わる問題”が舞い込んできます。そういった場合、当然、本来のイタコの務めである“先祖霊の口寄せ”を行うことになるわけです。生き霊の場合、私自身の意識を保ったままで一部のみを降ろすことも可能ですが、先祖霊の場合は完全に“あちら側”の存在なので、霊降ろしの間、私自身の意識は曖昧な状態となってしまいます。なので、ここから先の話は全て、霊降ろしの後にゆう子さんの口から説明していただいた内容となります。ご了承ください。

ゆう子さんの家を守っておられるもっとも強い先祖霊は、女性の方でした。そして口寄せの結果、原因はふたりの寝室の位置にあることが判明しました。ゆう子さんと旦那様がふだん眠っておられた寝室は、かつて先祖霊の女性の方が同じように寝床として使っておられた場所のようで、「自分の寝室に知らない男性が入ってきた」と思った先祖霊の方が怒ってしまい、旦那様を家から追い出そうとしていたらしいのです。

私を媒介して、ゆう子さんの口から先祖霊へ“その男性は自分の夫であること”を説明していただき、また念のために、“二人の寝室を別の部屋へ移すこと”を告げていただくと、先祖霊は納得した様子で、そのまま帰っていきました。

その後の経過

半年ほど後、ご報告メールをいただきました。三人でもう一度話し合った結果、旦那様はようやく家に帰ってきた、とのこと。最初、寝室が移動していることにびっくりされたようですが、あまり深い疑問を抱くこともなかったようです。家庭の空気も、旦那様が出ていかれる前とは一変して明るいものになったらしく、今では旦那様が家を出ていかれたことすら笑いの種になるほどだとか……。先日、一家で旅行に出かけられたらしく、ご報告メールには家族が仲よく写る写真が添付されておりました。